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【脱・ロストマシーン】なぜ、うちの子はすぐボールを取られるのか?小学生年代のボールロストを激減させる根本改善策


「いい形でボールを受けたのに、すぐ相手に取られてしまう…」
「ドリブルを始めても、いつも囲まれて行き詰まる…」

わが子が試合でボールを失うたびに、思わずため息をついてしまう…。保護者の方なら、一度は経験があるのではないでしょうか。「ボールを大切にしろ!」と声を枯らしても、なかなか改善されない。そのもどかしさは、非常によく分かります。

しかし、ボールロストが多いのは、単に「技術が低い」からなのでしょうか?

実は、その原因はもっと根深く、**ボールを持つ前の「準備」と、ボールを持った瞬間の「判断」**に隠されていることがほとんどです。

今回は、小学生年代の選手が「ロストマシーン」から脱却するための本質的な原因分析と、明日からできる具体的な改善策を、徹底的に解説します!


なぜボールを失うのか? – 4つの“ない”を探れ!

ボールロストは、単なる結果です。その手前にある「原因」を突き止めなければ、根本的な解決には至りません。お子さんのプレーを観察し、以下の4つの「ない」のどれに当てはまるかを探ってみましょう。

原因①:『観ていない』

これが最も多く、そして最も根深い原因です。ボールが自分に来る前に、周りの状況(敵、味方、スペース)を観ていません。だから、ボールを受けた瞬間に「さあ、どうしよう?」と考え始めます。そのコンマ数秒の遅れが、相手に寄せる時間を与え、ロストに直結します。

  • 特徴: 首を振らない。ボールしか見ていない。トラップしてから顔が上がる。

原因②:『選択肢がない』

ドリブルしか考えにない「ドリブル小僧」、あるいはパスしかできない「パス専門家」。プレーの選択肢が1つか2つしかないため、相手DFからすれば守りやすいことこの上ありません。

  • 特徴: 常に同じプレー(ドリブル突破 or すぐにパス)を選択する。状況に応じたプレーの使い分けができない。

原因③:『良い体勢がない』

相手に体を寄せられたり、ゴールに背を向けたままボールを受けていませんか?これでは、次のプレーに移る前に潰されてしまいます。良い準備とは、「観る」ことだけでなく、**「相手から遠く、ゴールに近い場所に動き、前を向いてボールを受けられる体勢を作ること」**も含まれます。

  • 特徴: 相手のプレッシャーがかかる場所で止まってボールを待つ。相手を背負ったまま受けることが多い。

原因④:『置く場所がない』

ボールを足元にピタッと「止める」ことが目的になっていませんか?それでは、せっかくのスペースも時間も自ら消してしまいます。ファーストタッチの目的は、**「次のプレーが最も有利になる場所にボールを“置く”こと」**です。

  • 特徴: トラップしたボールが足元に止まりすぎる、あるいは体から離れすぎる。ファーストタッチで相手のいないスペースに運べない。

ロストを激減させる3ステップ改善策

原因が分かれば、対策は明確です。以下の3ステップで、お子さんの意識とプレーを変えていきましょう。

ステップ1:意識改革 – 『ボールを受ける前』が勝負だと教える

全ての始まりは、子供の頭の中を変えることから。ボールロストの9割は、ボールを受ける前に決着がついています。

  • 魔法の言葉:「ボールがない時が、一番大事」
    これを親子やチームの合言葉にしましょう。ボールを持っていない時に、どれだけ周りを観て、良いポジションを取れるか。その「準備の質」こそが、ボールを持った時のプレーの質を決定づけます。
  • 声かけ革命:「ナイスチャレンジ!」と「次はどうする?」
    ロストしたこと自体を責めてはいけません。それは子供の挑戦を萎縮させるだけです。「取られてもいいから、ドリブルで行け!」と言っておきながら、取られたら怒るのは最悪です。
    「今のチャレンジは良かったよ!じゃあ、次は相手が来る前に周りが見えたら、もっと楽になるかもね?」
    このように、挑戦を認めつつ、次への具体的なヒントを与える声かけが、子供の思考を育てます。

ステップ2:準備のトレーニング – 『観る』と『動く』を体に刻む

意識が変わったら、それを体に染み込ませるトレーニングです。

  • 練習法①:首振り鬼ごっこ
    普通の鬼ごっこに、「鬼はタッチする前に、必ずタッチしたい相手の背中を見なければならない」というルールを加えます。逃げる側も、鬼の視線や動きを常に観察する必要があり、自然と「観る」習慣が身につきます。
  • 練習法②:オフ・ザ・ボールかくれんぼ
    二人一組。ボールを持っている親(パス役)から、子供(受け手)は「DFに見つからないように」動き回ります。DF役のマーカーやコーンの死角にスッと入る動きを遊びながら学びます。親は、子供が良い動きをした瞬間にパスを出すことで、**「良い準備をすれば、良いパスが来る」**ことを体感させましょう。

ステップ3:判断のトレーニング – 『選択肢』を持つ練習

準備ができるようになったら、いよいよボールを持った時の判断力を磨きます。

  • 練習法①:2ゴール・ゲーム
    1対1や2対2で、両サイドにミニゴールを置きます。これにより、選手は「ドリブルで中央突破」だけでなく、「ファーストタッチでサイドのゴールへ向かう」という選択肢を持つようになります。**「ゴールは一つじゃない」**という状況を作ることで、状況に応じてプレーを変える柔軟な判断力が養われます。
  • 練習法②:条件付き1対1
    1対1の状況で、攻撃側に「3回タッチするまでにシュート(またはパス)」という条件をつけます。これにより、「1タッチ目はどこに置くか?」「2タッチ目でどうかわすか?」といったプレーの逆算思考が身につきます。無駄なタッチや、延々とこねるドリブルが減り、プレーのテンポが格段に上がります。

まとめ:ロストは『学びの宝庫』である

ボールロストは、失敗ではありません。それは、「今の準備や判断では通用しなかった」ということを教えてくれる、最高の学習機会です。

保護者や指導者の役割は、ロストしたことを責めることではなく、その原因を子供と一緒に考え、次への成長の糧に変えてあげることです。

「なぜ取られたんだろう?」 → 「周りを観てなかったからかな。」「じゃあ次はどうする?」 → 「ボールが来る前に、一回だけ首を振ってみよう。」

この小さな「振り返り」と「次の目標設定」のサイクルこそが、子供を自ら考える選手へと成長させます。

ボールを失うことを恐れていては、何も生まれません。たくさんのチャレンジと、たくさんのロスト(学び)の中から、本当にボールを失わない、賢くてたくましい選手が育っていくのです。


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